今日のテーマは、おみくじの話。先日、夕刊フジの担当者さんとお話をしていて、「いや〜、以前、厄年のときに神社で大凶がでちゃって、もう落ち込みましたよ〜」とおっしゃっていたのを、またまたすばやくネタにさせていただきました。神社のおみくじといえば、おみくじBOXからコロンと出てくるタイプと、自分で小箱をシェイクして、棒を引くタイプとがあります。おみくじBOXは凶が少ないのに比べて、シェイクタイプは凶がでやすいので、「今日はデートなので、どうしても凶が出ちゃ嫌」、という方は、赤いおみくじBOXにちゃりんとお金を入れるのをオススメします。
さて、吉が出た、凶が出たと一喜一憂する私たちですが、吉と凶という字をよく見ると、○と×から構成されていることに気がつきます。○と×は、文字のなかった古代から用いられている世界共通の記号で、とくに×は立ち入り禁止という意味で使われていました。現代のように、さまざまな人工的建造物のなかった時代、人間の住む領域は限られていました。目にみえない境界線を、×を描くことで、「ここからは別の領域になるんですよ、入るには覚悟がいりますよ」といましめるのが、×の記号の基本的な意味でした。
現代、そうした意味は、私たちがよく目にする「区」や封書の「〆(シメ)」に残されています。「区」や「〆」の世界は、けっして人間が「入れない世界」を意味しているのではありません。「入ることは可能だが、そこから先はちょっと違った領域になる」という、意識の次元が変わることを示唆しているものです。
例えば、「〆」の封書を開く、そこに、恋人の浮気現場の証拠写真が入っている、あなたはそのとたん、信じきっていた恋人が違う人に見えてくる、これが「×」に入った作用です。逆に懸賞の当選を知らせる封書だったりすれば、突然あなたの未来はバラ色に変わってしまいます。これも「×」の作用です。×の先と手前の中間には、物理的な障害物はなく、出入り自由な空間です。空間や意識の境目を示す記号が「×」ということなのです。
さて、この「×」の先の領域とは、具体的にどんな領域を指しているのでしょう。「神の世界」「死の世界」「宇宙」「異次元」など、さまざまな要素が含まれています。現世で暮らす普通の「日常生活」にはないが、「ある」または「あるかもしれない」「非日常」の領域になります。
以前も書きましたが、「凶器」の元々の意味は、葬式に使われる道具の事を示していました。つまり、日常の世界から、非日常の世界に、ある日ある時間をもって突然旅立った魂は、「目にみえない空間の境を越えた」とみなされたのです。そこに「×」が発生したので、葬儀が「凶」と呼ばれるようになったのです。
さて、ここでやはり気になるのは、最近、世間を騒がせている元「×」JAPANのTOSHIの言動です。「×」(エックス)は、もちろん「×」(バツ)から生まれたアルファベットですね。ですから、「×」(エックス)の文字は、単語の最初には用いられず、よく単語の締めくくりとして用いられます。「○(マル)」から生まれた「O(オー)」が、OK、といった「入っても大丈夫」のサインなど、肯定的に用いられているのに比べて、「×(エックス)」で始まる言葉は、どこか異質です。「×線」は未知の電磁波、という意味で名づけられ、私たちの異次元の肉体の内部を映し出してくれます。「×ファイル」はずばり、異世界との接点をテーマにしたテレビドラマですね。これが「Vファイル」や「Oファイル」だったら、多分ヒットはしていないでしょう。
このように、姓名学のシンボリズムからすれば、「×」JAPANの彼らは「異世界との接点」に限りなく近い宿命を持って、生きざるを得ないグループだったといえます。「異世界に限りなく近い」彼らは、現世の人間にない、非常にピュアで美しい魂と、神に与えられたような表現力、カリスマ性を持っています。私も、彼らの言葉や音楽には、「つくろったもの」ではない、魂の本質的な美しさを感じて、とても好感を持っていました。
しかし、彼らはそれゆえに、常人にはない鋭い感覚や孤独感に苦しむことになり、その結果として、HIDEのような悲劇が起こったり、今回のような騒動が起こってしまうのではないでしょうか。その原点には、「異世界の接点」をかいまみた混乱、恐怖感や孤独感が、強く影響していることを見逃してはいけないと思います。
ほとんどの人が病院で「死」を迎える現代、今の若い世代の人たちは、身近に「死」を感じられないから、「死」を軽んじているといわれます。しかし、私は逆だと思います。毎日、新聞紙上やテレビでは「死」が報じられ、雑誌や本や、さまざまな「死」の情報があふれかえっています。なのに、だれも明確に「死」や「異世界」について答えを出してくれる人はいません。しかも、やっかいなことに、究極の「×(バツ)」である「死」は、前兆もなく、ある日突然、ある場所、ある瞬間にあらわれるという習性をもっていて、防ぎようがないです。
私には、今の若い人々の純粋で傷つきやすい魂が、そうした「突然の死の恐怖」に脅えて、心から血を流して苦しんでいるような気がしてたまりません。そのために、家から出られなくなったり、仕事ができなくなっている人は数え切れません。しかし、それを訴えても、親やセンセイや友人たちは、「×」の世界について、よくわからないので、たんにそれを「避けて通る」ことや「ばかばかしい」「非科学的」としかアドバイスしてくれません。
そうした恐怖から救済してくれるのが、「死後や異世界を明確化」してくれる「宗教」や「マインドコントロール」しかないのは、残念なことだと感じています。TOSHIの顔を見ていると、死後の自分や、自分がいつもギリギリに立たされていた「異世界」について、「間違いなくある」と確信した、安どと幸福感に満ちた顔をしています。彼の中の「×」が「○」に変わったのです。多くの、マインドコントロールされた人の強さは、「肉体は死んでも、自分の魂は死なない」という確信の強さなのです。人は変化してやまない生き物です。ファンのみなさんは、彼が長い間、ファンの人々のために耐えてきた、孤独と恐怖を理解して、今は静かに見守ってあげてはどうでしょう。
宗教やマインドコントロールなどとは切り離して、「異世界や死」を前向きに受け止められる思想的なシステムの構築が、早急に必要ではないかと考えてしまいますね。
さて、凶の出たおみくじ、神社の枝に結びますが、これも「結ぶ」には吉という文字が入っていることから、凶を、「縁」という糸によって、吉に変化させる行為となります。すなわち、あなたの中の「×(死)」の恐怖を「○(生きる)」喜びに変化させるには、人の結びつきや、神様、趣味など、何かの「結びつき」がキーポイントとなるというわけです。
今、凶の状態に陥っているみなさん、この状態は孤独では乗り越えられません。だれでもいいから、「縁を結んで」ください。そして、凶とは、逃げ場のない地獄ではありません。文字の形が示すとおり、四方向のうち、一方向に必ず逃げ道がありますから、けっして絶望せず、出口を探してください。
でも、実際に神社で凶が出たあなたは、おみくじを間違っても、家に持ってかえらないでくださいね!