七夕である。夏である。夏と言えばスウェーデンではシュールストレミングである。したがって、我々もその慣習に従ってシュールストレミングの缶を開けた。
 場所は東京大学構内(^^;)。参加メンバーは、ロシアSF・映画関係者七名。東欧・北欧の文化に馴染んでいる面々(右写真は缶を持っている作家・高野史緒氏)なので、それなりの流儀に基づいていただいた。
 まず、酒としてはアクアビット(北欧のスピリッツ)やウォッカなどを用意し、シュールストレミングの付け合わせとしてスウェーデンでは常識(?)となっているポテトサラダ、ニラとネギの細切りは当然揃え、その他にもロシアの黒パン、フランス製羊乳のブルーチーズ、タバスコ味のSPAMなどを用意し、そして比較対象として日本のくさやも揃えた。
 そして何の抵抗もなく缶に穴を開けてみると……プシュっと液が飛び出したが、それ以外の被害はなく、何の問題も無く開いた。臭いが凄いという前評判だったが、何のことはない、日本のくさやに比べればぬるい。ただ、腐臭だけに、開けた途端にどこからともなく大量の蠅が群がってきた(^^;)。
 その蠅の群に対抗しながら食べてみたのだが、ただひたすらに塩辛いという点を除けば何のことはない、ただのニシンだった。しかし、しょっぱいだけに、アクアビットやポテトサラダ、ニラには良く合い、おいしくいただけた。
 世に出回っているシュールストレミングが臭いという知識は半分は正しいかもしれないが、半分は間違っている。そこまで騒ぐほどのものではない。臭いは鼻が曲がるというほどのものではないし、口に入れてしまえば気にならない。問題は、ただひたすら塩辛いので、付け合わせには注意が必要になるということぐらいだろうか。
 実際、参加した七名の中で関西から参加した一名を除いて全員が平気で食べていた。そして残りカスを池に捨てたのだが、池にいた亀すらもシュールストレミングにかじりついていた
 面白いのは、シュールストレミングを食べ終わった途端、それまで群がっていた蠅が一匹もいなくなったことくらいだろうか……(^^;。
 TVなどで過剰に演出され過ぎているきらいがあるので、誤解が広がってしまっていると思うのだが、シュールストレミングは、一応はまともな食べ物である。過剰な先入観でスウェーデンの文化を誤解しないでいただきたい。
 なにはともあれ、本格的な欧風のピクニックを堪能した一日だった。